【10月の誕生石】幸福を招く石「オパール」希望をもたらす「トルマリン」

誕生石とは、それぞれの月にちなんだ宝石(パワーストーン)のこと。旧約聖書の中でユダヤの高僧が12種類の宝石があしらわれた胸当てを着けていた、という記述が誕生石のルーツになったと言われています。のちに、アメリカの宝石業界により改正が行われましたが、生まれ月の石を身につけることで、守護してくれたり、幸運をもたらしてくれると言われています。
12回に分けてお届けするこのコーナー。今月は10月の誕生日を迎えるあなたに幸運を呼ぶ、月の誕生石「オパール」と「トルマリン」をご紹介します。
INDEX
オパール

見る角度によって色合いを変化させる美しい「遊色効果(プレイ・オブ・カラー)」でおなじみのオパール。これは、オパールを構成するシリカという微粒子が光の影響を受けることで様々な色の光を放つ効果のこと。
遊色効果を持つ「プレシャス・オパール」に対し、遊色効果がなく地色の輝きを楽しめる「コモン・オパール」もあります。いずれもポジティブなエネルギーに満ちた「幸運を招く石」とされ、古代より愛され続けています。
オパールの語源

オパールという名前は、ギリシャ語で「色の変化を見る」という意味を持つ「opallios(オパリオス)」に由来し、これは古代インドのサンスクリット語で「貴石」を意味する「upala(ウパラ)」から派生したものだとされています。様々な色を見せるオパールはその昔、あらゆる宝石の美しさとパワーを包括した石であると信じられていたそうです。
神の石と呼ばれたオパール

オパールの歴史は古代ローマやギリシャ時代に遡ります。その神秘的な見た目から古来では予知能力を実体化したものだと考えられていたり、「神の石」と呼ばれ神聖なものとされていました。
また、歴史上の著名な人物たちとの逸話も多く残されています。例えば古代ローマの政治家だったマルクス・アントニウスです。元老院議員の持っていたオパールに一目ぼれをした彼は、クレオパトラに贈るために譲ってほしいと頼んだものの叶わず、その元老院議員を国外追放してしまいます。
イギリスのビクトリア女王が愛し、娘たちの結婚祝いに贈った宝石としても有名です。小説や詩の中に描かれることも多く、文豪シェークスピアの小説の中では「宝石の女王」と記されています。
虹を閉じ込めたようなオパールは幸福や希望を表すといわれており、メキシコでも神事の装飾に使われるなど世界中で重宝されている宝石です。また、見た目の瑞々しさと艶やかさからもわかるように、アンチエイジングの宝石といわれることも。オパールの髪飾りを身に着けて白髪を予防するという地域もあるようです。
トルマリン

トルマリンは、すべての色が揃うと言われるほど色彩豊かな美しい宝石です。
熱が加わると電気を帯びる性質から、和名では「電気石(でんきせき)」と呼ばれています。帯電して放出されたマイナスイオンによって心身が浄化され、ストレスをやわらげてくれるヒーリング効果があるとも言われています。
華やかで色鮮やかなトルマリン。古くは病気の治療にも用いられたそうで、疲労回復やリラックス効果をはじめ、精神を安定させ、希望を持って前に進む力を与えてくれるパワーストーンとしても注目されています。多彩なカラーの中でもピンクトルマリンは、恋愛運を高めるお守りとしても人気です。
トルマリンの語源

トルマリンという名前は、スリランカのシンハラ語で「混合色の石」という意味を持つ「toramalli(トルマリ)」に由来すると言われています。トルマリンはカラーバリエーションが豊富なだけでなく、ひとつの結晶の中に複数の色彩が見られることもあるため、このように呼ばれたそうです。
電気を発する石
トルマリンの特徴である電気に気がついたのは、アムステルダムの宝石商人でした。温かい日なたに置いてあったトルマリンが埃を引き寄せたことから、静電気に気がついたのです。その後、商人たちは刻みタバコの灰を集めるのにこの宝石を使ったいうお話もあります。
トルマリンは熱や圧力、摩擦を与えることで電気が発生します。電池のように切れることがなく、人の身体に流れているのと同じくらいの微電流なので、血液の循環を良くするなど、身に着けると身体に良いともいわれているんですよ。
カラーによってそれぞれの意味があるトルマリン
ポジティブな恋愛を届けてくれる愛の「ピンクトルマリン」
気持ちを落ち着かせ、直観力や霊性を高める「ブルートルマリン」
リラックスした自分でいられる「グリーントルマリン」
祈祷に用いられてきた厄除けの「ブラックトルマリン」

また、宝石の価値としてダイヤモンドをも凌ぐ、とも言われるトルマリンもあります。ネオンブルーカラーが特徴の、パライバ・トルマリンParaiba tourmalineです。1989年にブラジルのパライバ州から産出されましたが、現在ではその鉱脈は途絶え、ナイジェリアやモザンピークから算出されています。
鮮やかで見たこともない色の宝石は、採掘量が少なく、1カラット以上の大きさは、まず市場に出ません。
その希少性からも、ダイヤモンド以上に高額な宝石といえます。
まとめ
幸運と希望という素晴らしい意味の二つの石をご紹介しましたが、誕生月でなくても持ちたい石ですね!綺麗なプレシャスオパールは、本当に見惚れてしまうほど、私も大好きな石のひとつです。