日本伝統のデトックスフード、ダイエット・美容にも効果抜群の「お粥(おかゆ)」の魅力と美味しい炊き方をご紹介
日本人にとってなじみ深く胃腸にやさしい、お粥(おかゆ)。
お粥(おかゆ)といえば、風邪気味など体調が優れないときに食べるもの…そう思っていませんか?
実は、お粥(おかゆ)はデトックスフードなんです。
お粥(おかゆ)は水分をたっぷり含んでいますので、腸内の老廃物を排出させる効果が期待できます。
- 便秘で肌が荒れる
- 腸に老廃物が溜まっている
- 内臓の調子が悪い
腸内環境は、健康・美容と直結しています。
胃腸にやさしく消化の良いおかゆを取り入れて、腸内環境を整えてながら、デトックスしていきましょう。
INDEX
鎌倉時代から伝えられている、お粥(おかゆ)がもたらす10個の効果
お粥にはすばらしい効果が10個もある、と説いたのは鎌倉時代の曹洞宗開祖・道元禅師です。
禅僧たちの食事の心構えを記した書物「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」の中で
「粥有十利(しゅうゆうじり)」=お粥には十の功徳がある、との一節があります。
- 〈色〉体の血つやが良くなる
- 〈力〉気力を増す
- 〈寿〉長命となる
- 〈楽〉食べ過ぎとならず体が安楽になる
- 〈詞清辯ししょうべん〉言葉は清く爽やかになる
- 〈宿食を除く〉前に食べたものが残らず胸やけもしない
- 〈風を除く〉風邪を引かない
- 〈飢を消す〉消化よく栄養となって飢えを消す
- 〈渇を消す〉のどの渇きを止める
- 〈大小便調適す〉便通も良い
このように、お粥(おかゆ)は健康・美容食、デトックスフードなのです。
アレンジして楽しめる、日本の伝統フードお粥(おかゆ)
お粥(おかゆ)は、米(うるち米)、麦、粟、そばなどの穀類や豆類、芋類などを多めの水でやわらかく煮た料理のことです。
白粥(しろがゆ)に、かぶ、大根、小松菜などの野菜で、一草粥、二草粥、三草粥など、手に入りやすいお野菜を無理なく無駄なく使いながら、お米と野菜そのものの柔らかな甘みを楽しむことができます。
また、卵、梅干し、お味噌、鰹節など、どんな食材でも合わせて、おいしく食べられます。
寒い時期は“体を冷やさない”ことが肝心。そんなときは、《生姜》のおかゆで体を温めることをおすすめします。
七草粥(ななくさがゆ)
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種類の食材を使用して作られます。
中国・唐の時代、1月7日は「人日(じんじつ)の節句」といって、「人を大切にする」という意味を持つ日でした。ずっと以前は、「この日だけは犯罪者を処罰しない日」とされていたそうです。
この日に、七種類の野菜の入った汁物を食べ無病息災を願う行事がありました。
それが日本に伝わって春の七草を入れたおかゆ「七草粥」に変化し、江戸時代の庶民の間でもポピュラーになりました。冬枯れの野山に入り、足元の芽吹いたばかりの草を探して摘み取ってきていました。
真冬の景色の中、春の訪れの小さな兆しの新芽。
芽吹きの生命力パワーをいただき、無病息災を祈る開運食でもあったのです。
1月7日は過ぎてしまいましたが、とてもパワフルな願いが込められている七草粥。
七草ではなくても、春の野菜を取り入れて、デトックス食として食べるのもいいですね。
胃腸が弱ったらお粥(おかゆ)を食べよう!
多忙な現代において、会社や友人との飲み会、ストレスによる暴飲暴食することがありますよね。
そんな時には、シンプルなお粥がぴったりではないでしょうか。
朝からおかゆを炊くのはちょっと大変。
そんな時は、夜の食事をおかゆに変えて疲れた胃腸のデトックスデーにしませんか。
家庭料理研究家が教える、美味しいお粥(おかゆ)の炊き方
- 米1/2合をかるく研ぎ、水600mlといっしょにお鍋に入れ火にかけます。
お水はミネラルウオーターがおすすめです。 - 沸騰したら弱火にし、蓋をして20分程コトコトと炊きます。
噴きこぼれそうになったら蓋をずらし、時々木べらで鍋底からかき混ぜます。 - 20分経ったらふたを閉め、10分程蒸らして出来上がりです。
お茶碗に盛ったら、番茶などの刺激の少ない温かい飲み物も用意して、ゆっくりお召し上がりください。
お粥(おかゆ)の食べ方ポイント!
一口目は、口に入れたら目を閉じて味わってみてください。
米の甘さを感じると思います。
日々のストレスでお疲れの日は、お粥(おかゆ)と梅干しや添加物の入っていないお漬物だけにして、一日をねぎらい、また明日頑張ってもらう胃腸へ感謝の想いを伝えておやすみください。
さいごに
普段、何か体調が優れない時や忙しい時、ストレスでやけ食いに走って胃腸を痛めてしまった、なんてことはありませんか。
そんな時こそ、シンプルなお粥で過ごす習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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やすえ
- 家庭料理研究家
家庭料理の教室主催。人の心を癒すスピリチュアルをスパイスに、人の身体を癒すおうちご飯の作り方を研究中。産直市場の野菜を見ると、テンションが上がる。